◆ 環境を自分達で守る!
「ひけた鰤」は様々な工夫をして、環境を悪化させずに、持続的に続けられる養殖を行っています。
冬場は全ての魚を出荷して、漁場を空っぽにします。水温が低い時期には、海底まで酸素が行き渡っており、 漁場を休ませることで、自然に底質が回復するのです。
※夏場は、上層は暖かく、下層は冷たい水に分離したような状態になっており(成層状態)、海底の酸素が 少なくなっています。しかし、冬になって寒くなると、上層の水も冷たくなり、上下層の水温差がなくなって上下混合が 起こり、底層の水にも酸素が多くなるのです。底層に酸素が多くなると、底泥に住む微生物の働きが活発になって、 底質が良くなるのです。
引田では、夏場は魚類養殖、冬場はのり養殖を行っています。
これは、夏場に使用した漁場を、冬季に休めながら、海の生産力を回復させるための工夫なのです。
夏場、海水に溶け込んだ栄養塩を冬場ののり養殖で吸収・利用しています。
さらに、冬場、海底を耕して、底泥に酸素を送り込んで、底質の回復を促進しています。
※海を耕すことで、底泥の微生物に積極的に酸素を届けてやり、その活動を促進させてやります。そうすることで、底 質の改善がさらに進みます。
このように、自然の回復力+生産者の努力で、漁場を将来にわたって、持続的に使っていけるようにしています。
もちろん、引田漁協では、必ず、MP,EPなどの環境負荷の小さい餌料を与えています。夏場の負荷をできるだけ小さくして、
海に与える影響を最小限に留める努力をしています。
さらに、環境の悪化しやすい夏場の給餌を抑えて、環境負荷を抑制しています。このことが、「ひけた鰤」の 美味しさの秘密の一つであることは、ご紹介したとおりです。
給餌しない日を増やすことで、魚のストレスを減らし、同時に環境への負荷も減らしているのです。